ワールドラグビーが発表した「代表チームのプレー資格」を受け、日本代表資格に準ずるリーグワンの「カテゴリA」の要件も見直されました。
これにより、
「48か月以上日本ラグビー協会に継続登録されていること」がカテゴリAの新たな条件となり、従来の「年間62日以内の国外滞在」の制限は撤廃されました。
代表資格の取得には依然として60か月の登録が必要ですが、カテゴリAとしての登録はチーム編成や戦術にも大きく影響します。
今回の改変は、日本代表資格を持たない多くのカテゴリB選手が、「カテゴリA」に変更される事になり、今まで以上に外国出身選手の出場が増えそうです。
リーグワン2025 選手カテゴリ一覧
- カテゴリA:日本代表資格をもつ選手
(チーム登録に上限なし・試合登録 17名以上・同時出場 11名以上) - カテゴリB:日本代表になれる可能性のある選手
(チーム登録は合計10名以下・試合登録 6名以下・同時出場 4名以下) - カテゴリC:日本代表資格のない選手
チーム登録は3名以下・試合登録 3名以下・同時出場 3名以下)
カテゴリ | 日本代表 | チーム登録 | 出場登録 | 同時出場 |
---|---|---|---|---|
カテゴリA | 資格あり | 総選手登録数の80%以上 | 17名以上 | 11名以上 |
カテゴリB | 今後 獲得見込あり | BおよびCの合計で10名以下 | BとCの合計6名以下 Cは3名以下 | BとCの合計4名以下 Cは3名以下 |
カテゴリC | 資格なし |
カテゴリA
「カテゴリA」に登録できる選手は、大きく分けて3つの条件のいずれかを満たしている必要があります。
日本代表歴のある選手
日本代表として公式戦に出場した経験を持つ選手が該当します。
なお、「日本代表歴」の具体的な定義については、World Rugbyが定めるRegulation 8に基づきます。
日本代表歴がない選手で、以下のいずれかの条件を満たす者
日本にルーツがある、または長期在住している
- 日本で出生し、他国での代表歴を持たない。
- 両親または祖父母の1人が日本生まれであり、他国の代表歴がない。
- 滞在日数に関係なく4年以上、日本協会に継続登録されている(他国の代表歴がない)。
- 48か月以上、日本に継続居住(年間の国外滞在が62日以内)。
- 過去9年間にわたり、日本を主な生活拠点としていた。

4番目のルールは分かりにくいですよね!
2024-25シーズン開幕前までに、「年間62日以内の国外滞在」という旧ルールを守っていた選手については、新しい「登録要件」ではなく、これまでの「居住要件」に基づいて「カテゴリA」の資格が認められます。



それでも、難しいですよね!
「60ヶ月」から「48ヶ月」に期間が短縮されたのであれば、3番と4番は同じ意味になると思うのですが・・・
留学生として日本に在住・プレー
- 日本の協会に4年以上連続登録し、日本の学校に留学している。
- 4年以上日本に居住し、留学中の国外滞在が年間62日以内。
- 2024-25シーズン以降も日本で留学・居住し、2025-26シーズンまでに登録4年を満たす。
過去の特別な登録実績がある選手
過去に日本国籍を取得し、協会登録していた
- 2016年8月31日以前に日本国籍取得し、協会登録済み(他国の代表歴の有無は問わない)。
- 2021年11月30日までに日本国籍を取得し、協会登録している(他国の代表歴なし)。
特別永住者、義務教育修了者、アジア枠
- 2016年8月31日以前に特別永住者として協会登録済み(他国の代表歴は問わない)。
- 2017年8月31日以前に日本で義務教育を修了し、協会登録済み(他国の代表歴なし)。
- 2021年度シーズン以前に「アジア枠」として登録済み(他国の代表歴なし)。
日本代表経験者か、2代前までの出生ルーツ、日本での在住や留学期間などの要件を満たした選手、または過去の特例登録選手です。
特に、「4年以上の登録・居住」や「日本での教育・留学履歴」が重要なポイントとなります。
カテゴリB
「カテゴリB」としてリーグに登録できるのは、以下のいずれかの条件を満たす選手です。
他国の代表歴がない選手
将来的に日本代表資格を得られる可能性がある選手
- 現在は「カテゴリA」に満たしていないが、条件を満たせば日本代表資格を得られる可能性がある選手。
2021年11月30日以前に日本国籍取得を申請したが、認定が遅れた選手
- 2021年12月28日までに国籍取得の認定を受けていないが、2021年12月29日以降に認定された選手。
(2023-24シーズンからは、「カテゴリA」として登録できます)
他国の代表歴がある選手
- 2021年シーズン開始前に「アジア枠」として登録されていた選手が該当。
- 他国の代表歴があっても、過去「アジア枠」に登録されプレーしていた選手。
(「カテゴリC」から「カテゴリB」に変更されます)
カテゴリC
「カテゴリC」に登録できる選手は、「カテゴリA」及び「カテゴリB」いずれにも該当しない選手です。
新たに追加された登録区分の要件
シーズン中のカテゴリ変更は不可
一度登録された選手のカテゴリは、同じシーズン内で変更できない。
チーム登録枠の要件を満たす必要がある
各チームは、リーグ登録時に「チーム登録枠」の基準を満たさなければならない。
試合ごとの登録枠が決まっている
各試合にエントリーできる選手数は、カテゴリごとに決められている。
同時に出場できる選手の制限
試合中に同時にプレーできる選手の数も、カテゴリごとに上限が設定されている。
選手の追加登録に関するルール(第11条)の要約
リーグでは、特定の条件のもとで選手の追加登録が可能です。
以下のルールに基づき、適切な手続きを経ることで、チームはシーズン中に選手を補充できます。
カテゴリAの選手の追加登録
各チームは、リーグが定めた登録期限までに「カテゴリA」の選手を最大3名まで追加登録できる。
カテゴリB・Cの選手の追加登録
カテゴリB・Cの選手は、チーム登録枠の範囲内で追加登録が可能。
追加登録選手の試合出場要件
追加登録後、全チームに通知してから14日経過した後の公式戦から出場可能。
ただし、プレーオフや入替戦に出場するには、リーグ戦や順位決定戦に最低1試合出場している必要がある。
同一シーズンでの再登録禁止
一度リーグ登録を抹消した選手は、同じシーズン内で再登録できない。
日本代表強化のための例外
日本代表の強化活動に参加するために登録を抹消した選手は、いつでも再登録が可能。
負傷や病気による追加登録
チーム登録枠の上限に達している場合でも、カテゴリB・Cの選手が負傷・病気で出場困難となった場合は、登録を抹消したうえで新たな選手を追加登録できる。
代表活動中の負傷による代替選手の登録
リーグ登録中の選手が他国代表の試合で負傷し、シーズン内に復帰できない場合、代わりの選手をカテゴリを問わず登録できる(負傷した選手の登録抹消が条件)。
日本代表選手の海外リーグ登録
リーグ期間中に海外リーグでのプレーを希望する場合、日本代表の育成目的として一定条件を満たせば認められる。
- 所属チームから一定期間離脱し、日本代表の強化目的に資すること
- 海外活動後、すぐに帰国し、元のチームに復帰すること
- 出国前に、本人・所属チーム・リーグ(JRLO)の三者間で合意を得ること
大学4年生・大学院生のリーグ登録
大学の最終学年または大学院に在籍し、シーズンの4月以降にチームへの所属が内定している選手は、指定の書類を提出すればシーズン開始後も登録が可能。
このルールにより、チームはシーズン中に必要な選手を補強しながら、リーグ全体の競技レベルを維持できる仕組みになっています。
リーグワン 選手登録に関するまとめ
- カテゴリAは3名まで、カテゴリB・Cは枠内なら追加登録OK
- 追加選手は14日後の試合から出場可(プレーオフは1試合出場実績が必要)
- 同じシーズンでの再登録は不可(ただし日本代表関連なら例外あり)
- 負傷・病気・代表活動による離脱時は特例で選手補充可能
- 大学4年生・大学院生は条件付きでシーズン中も登録可能
このルールにより、チームはシーズン中に必要な選手を補強しながら、リーグ全体の競技レベルを維持できる仕組みになっていと発表されました。


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