トップリーグ時代も、かなり緩かったと思える外国人枠。
新リーグが始まるこれからは「何と」
さらに緩くなります・・・!
「ゆるゆる~」で~す。
こんな制度では、スタメン15人全員の名前に「カタカナ」が入る日も・・・
まぁ、今までのトップリーグでも帰化した選手を集めれば、海外出身選手だけでオーダーを組むことは可能でしたが、今回発表された「出場資格」では、帰化していない外国人選手であっても、条件をクリアすれば日本人選手と同じ枠で出場できるのです!
これって、誰が得するの?
夢を持って「プロ契約」に変更した日本人選手には、非常に厳しい「未来」が待っているような気がします。
思えば2016年のサンウルブズ初戦には、16人の日本人選手が登録されました。
しかし、2019年後半以降は、最大で13人の外国人選手がスタメン出場することもあり、日本のチームから日本人選手が消えてしまうのではと心配しました。
もちろん、日本代表も!
ワールドカップ2015大会は30%くらいだった外国出身選手が、2019大会では50%まで占めていました。
国内リーグに外国人選手が増えると、やがて代表資格を得て代表強化につながる。
しかし、これが当たり前になってしまうと、日本人選手のポジションが次々と奪われていく!
これって、「日本代表の発展」と「日本人ラグビーの衰退」を同時進行しているのではないのか?
私は海外ラグビーが好きなので、南半球から来る外国人選手を生で見れる事や、やがて日本を選んで「日本代表」になってもらえるのも嬉しく思いますが、今回発表されたリーグワンの「出場資格」を見て本当に良いのだろうか?
と思います。
それでは、2021年10月26日に発表された、リーグワン元年の「外国人枠」(出場選手資格)についてご説明いたします。
- スタメン15人全員が外国出身選手になる可能性も
- アジア枠」廃止による影響は?
- 【新リーグ開幕】日本人選手には厳しい
- 日本に帰化しなくても「日本人選手」と同じ待遇に
- 下位ディビジョンは外国人枠を使いきれない
【日本ラグビー】リーグワン 外国人枠は?
JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 大会エントリー
トップリーグ2021年以前の出場条件とは異なり、日本代表選出資格を基準に「新カテゴリ」が設けられました。
カテゴリA
「日本代表実績のある選手」と「日本代表資格を持つ選手」
公式戦に登録できる人数:必ず17人以上(23人中)
公式戦に出場できる人数:必ず11人以上(15人中)
「日本代表実績のある選手」とは?
国籍に関係なく、既に日本代表としてキャップを保有している選手です。
例えば、下記の選手は新リーグからは日本人選手と同じ枠に入れます。
- ジェームス ムーア(オーストラリア国籍)
- ピーター ラブスカフニ(南アフリカ国籍)
- アマナキ レレイ マフィ(トンガ国籍)
「日本代表資格を持つ選手」とは?
他国での「代表歴が無い」選手が対象です。
帰化しなくても、既に60ヶ月間継続して日本に滞在している選手が対象です。
また、両親か祖父母の1人が日本人であれば、日本代表資格が与えられるので「カテゴリA」になります。
例えば、60ヶ月継続して日本に滞在している下記の選手は、新リーグからは日本人選手と同じ枠に入れます。
- リアキ モリ(ニュージーランド国籍)
- ラリー スルンガ(トンガ国籍)
- ベン ポルドリッジ(タイ国籍)
当然ながら、他国での代表歴が無い日本人選手は全員「カテゴリA」です。
「セブンズ」日本代表になった外国人選手は?
7人制日本代表に選出された外国人選手も、日本人選手と同じ枠に入れます。
例えば、2019年日本に帰化したコリン ボーク(リコー)選手です。
7人制ニュージーランド代表歴があるため、トップリーグでは代表歴のある枠でしかプレーできませんでした。
しかし、セブンズ日本代表の一員として東京五輪に出場しましたので、新リーグからは日本人と同じ枠でプレーできます。
カテゴリB
「海外の代表歴がない外国出身選手」
公式戦に登録できる人数:任意(最大6人)
公式戦に出場できる人数:任意(最大4人)
「海外の代表歴がない外国出身選手」とは?
日本国籍が無くても、他国での代表経験が無ければ「日本代表資格獲得見込み」選手として、このカテゴリに属します。
母国での代表歴が無い外国人選手は、全員この枠に入ります。
ですが!
日本を居住地として5年が経過すると、「日本代表資格」の条件を満たすため「カテゴリA」に変更されます。
カテゴリC
「他国での代表歴あり」
公式戦に登録できる人数:3人以下(23人中)
公式戦に出場できる人数:任意
いわゆる「日本以外の代表歴を持つ」選手
過去に1度でも代表活動した選手は、出場記録が無くても「カテゴリC」になります。
同時出場できる人数は、今までの「2人」から「3人」に変更されました。
ですが、他国で代表歴があり「カテゴリC」に分類された選手でも、先ほど説明した「セブンズ」ルールを利用すれば、「カテゴリA」に変更されると思います。
代表資格に関しましては、コチラの記事をご覧ください。
アジア枠が廃止されました
今まで優遇されていた「アジア枠」の選手たち。
該当する選手の中にも、日本代表経験のあるティム ベネット(母:フィリピン)や、ベン ガンター(タイ国籍)はカテゴリAでプレーすることができるので、チームとしても有難い存在となります。
同様に、インド国籍を持つキーガン ファリアも未代表のため「カテゴリB」でプレーでき、2年後には「カテゴリA」に変更できる可能性があるので、リコーを退団後、すぐに静岡(旧ヤマハ)と契約しました。
その一方で、NECに所属していたカイ ストローム(フィリピン代表)は「カテゴリC」の選手となり、他国の現役代表選手や元代表選手と出場枠を争うことになるため、残留できる可能性は厳しいと思われます。
リーグ ワンの外国人枠を考える
冒頭にも書きましたが、誰が得をするのだろうか?
「アスリートファースト」とは思えない!
日本人選手の働き場所を奪ってでも、外国人選手を確保し代表強化させる「ラグビー協会ファースト」に思えます。
フランスやイングランド国内リーグでも、毎年多くの外国選手を招集していますが、地元選手とのポジション争いに敗れ退団帰国する選手も多くいます。
その一方、
「日本人選手」が「大柄な外国人選手」と対等にポジション争いできるのだろうか?
そもそも、スタート地点に立たせてもらえるのか心配です。
「カテゴリA」や「カテゴリB」の選手を増やしたいのなら、ラグビー協会が運営する未代表外国人選抜チームを結成して、「ディビジョン1」「ディビジョン2」にエントリーすればって思います。
昨年のニュージーランド(クラブチーム)FW平均サイズは?
- プロップ( 184cm / 123kg)
- ロック( 197cm / 118kg)
- フランカー( 192cm / 107kg)
日本人選手で、このサイズを上回るのは稲垣選手など数人だけ。
「特例枠」として、日本人と同じ扱いを受けていた選手は?
トップリーグの特別な出場資格
他国で代表歴があっても2016年8月31日以前に、日本国籍を取得した選手は「日本国籍選手として試合に出場することが可能」
この特別ルールの恩恵を受けていた選手に、パナソニックのヒーナン ダニエル(元オーストラリア代表)とアンダーソン フレイザー(元トンガ代表)がいます。
2人とも期限前までに日本国籍取得し、「トップリーグ公認」日本人枠で出場していました。
その後、ヒーナンはセブンズの日本代表でプレーしたので、15人制の日本代表資格も獲得。
結果、新リーグでも今までと同等の「カテゴリA」枠が与えられると思います。
しかし、アンダーソン フレイザーは日本代表資格が無いので、新リーグからは「カテゴリC」となるのでしょうか???
リーグが変わるので、しっかりとアナウンスして欲しいですね!
日本でプレーする留学生の存在
他国で代表歴が無く、日本の大学でプレーする留学生を例に挙げると。
大学卒業後にリーグ ワンのチームと契約すると、1年目は「カテゴリB」でプレーしますが、2年目からは「カテゴリA」に変更となります。
海外から若い選手を獲得しても、5年間は「カテゴリB」でプレーすることになりますが、手っ取り早く日本にいる留学生と契約すれば、翌年には日本人と同じ枠で出場することができるのです。
チームとしては「メリット」が多いですよね!
在学中に2年くらいかけて調査できるし、日本語も話せる。
そして、その生徒が高校から留学生として来日していたのなら、大学在学中に日本代表資格を持つ「カテゴリA」選手となるのです!
留学生が使い捨て契約される危機
全国の強豪大学に入学する留学生は、年間50人以上。
当然、毎年同じくらいの人数が卒業することになります。
クラブチームからすると、今までは外国人枠の都合で獲得できなかった選手も、気にする事なくオファーできる。
しかし、そんなチームが増えてきたら、プロ契約する中堅の選手寿命は短くなるでしょうね・・・
帰化する選手が減る
ラグビーファンなら知っている事実。
プロ野球やJリーグでは考えられないくらい、トップリーグには多くの帰化した外国出身選手がいます。
何故だと思いますか?
国籍が海外だと「外国人枠」の都合で試合に出場できなかったり、契約を延長されない等の理由がありました。
もちろん別の理由で帰化した選手も多くいると思いますが、トップリーグは「プロ契約」すれば、フランスリーグに匹敵するくらいの報酬を手にすることができ、「社会人」として入部すれば、定年まで一流企業に勤めることができる「魅力すぎるリーグ」でした。
しかし「これから」は?
他国での代表歴がなく、学生期間も含めて5年間を日本で過ごせば「帰化」しなくても、日本人と同じ枠でプレーすることができるのです。
出場機会を求めて「帰化」する必要が無いのです!
この点に関しては、良い意味で「日本ラグビー文化」の変革になるのでは?
と思いました。
入れ替え戦は「上位ディビジョン」が有利に
下部リーグは、バイウィーク(試合無しの週)が多く、試合数は少な過ぎます。
大一番となる入れ替え戦は、圧倒的に【下位ディビジョン】チームが不利すぎませんか?
多くの【ディビジョン1】チームには、海外代表歴のある「カテゴリC」選手を3人在籍させています。
3人全員が「現役代表」ってチームも!
しかし、【ディビジョン2】6チームに、現役代表選手を要するチームは、近鉄とホンダの2チームだけ。
【ディビジョン3】では、クラブ経費の都合で、外国人選手の獲得が難しいチームがあるので何とも言えませんが、この現状を見ても入れ替え戦を同じ条件で対戦させる意味はあるのでしょうか?
日本ラグビー】リーグワン 外国人枠 概要まとめ
日本ラグビー新リーグ【リーグ ワン】外国人選手枠の概要をまとめました。
- スタメン15人全員が外国出身選手になる可能性も
- アジア枠」廃止による影響は?
- 【新リーグ開幕】日本人選手には厳しい
- 日本に帰化しなくても「日本人選手」と同じ待遇に
- 下位ディビジョンは外国人枠を使いきれない
2021年1月7日に開幕する【リーグ ワン】
今までは外国人枠の都合で、登録メンバーから外れたり、80分フル出場できなかった選手たちが「枠から解放」されます。
観ている我々ラグビーファンには「楽しみで面白い」かもしれませんが、メンバーから外されるのは恐らく日本人選手です。
日本人の逆襲は訪れるのでしょうか?
「日本人は小柄だから」なんて言われないくらい、日本人の活躍が見たい!
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