空前のラグビーブームはイングランド大会後も同じ。
トップリーグを閉幕し、プロリーグを新設するなんて「日本ラグビー協会」は大丈夫か?
既に協会と発起人との間で、「空中分裂」が発生しているような気がするのですが・・・
清宮さん、本当に大丈夫なの?
ラグビー 新リーグ「期待する」「期待できない」?
Yahooニュースのコメントには、「プロ化賛成」が多く見られるけど?
これって「にわかファン」と「Noと言えないラグビー関係者」の意見じゃないの?
そもそも何故「プロ化」にこだわるのだろうか?
全員がプロ契約選手に
日本ラグビーの良さ?
それは、他国と違って「企業に就職して、ラグビーをする」安定ある社会人ラガーマンだったのでは?
海外メディアからは、「働きながらラグビーをする国」「報酬が少ない」等々の記事を目にしますが、社会人ラガーマンの魅力は何といっても「解雇されることはなく、現役引退後は企業に残れる」のです。
しかも、一流企業に!
仮に8チームが参入したとして、1チーム平均45人の選手と契約する。
補強として10人の外国人選手がチームに入れば、日本人選手は8チームで280人になる。
日本人プロ選手を280人も確保できるのだろうか?
そして、その280人の選手は「プロの試合に見合う」選手なのか?
私が恐れていること・・・
それは、実力のない日本人選手が数合わせの為に試合に出場したり、逆に外国人選手にポジションを奪われ、外国人選手のためのリーグになるのでは?と思っています。
こんなことでは「日本ラグビーの強化」にはならない。
世界一の年俸
清宮氏が、BSニュース番組で言っていた「あの言葉」が気になる?
「バスケットボール(Bリーグ)と同様に、プロ化になればラグビーでも1億円プレイヤーが」
大丈夫か・・・?
1シーズンを平均18人と契約するバスケットボール(Bリーグ)と、最低でも40人は必要なラグビーを、同じジャンルとして考えているのは不安でしかない。
結局、年俸を払うのはチームですよ!
世界最高峰のフランスリーグ(Top14)でも、数年前の平均年俸は約6,000万円、2部リーグも含めると2,500万円とニュースに出ていましたが・・・
もちろん、選手の収入は増えると思いますが、プロに転身する社会人選手にとっては、一時的な年収が増えることよりも、生涯年収が減るかも知れない引退後のは不安は大き過ぎると思います。
プロになればラグビーに専念できるので、選手もチームも実力がアップする。
結果的に、
「日本ラグビーの実力が底上げされる」と思っているのだろうか?
一流選手が日本に集まる
1億円プレイヤーが在籍する予定のプロリーグは、環太平洋を中心に世界各国から一流選手が集まる。
と言っています・・・
ん?
現在のトップリーグにも、一流選手は多数在籍しています。
特に南アフリカやオーストラリアからは現役の代表選手も多くプレーしていますし、ニュージーランドを含めた3か国の元代表選は無数に在籍しています。
代表歴のある選手で溢れている今の状況に、日本のラグビーファンは十分満足していると思う。
それなのに、社会人ではダメなのか?
プロ化でファン拡大
プロ化すればラグビーファンが増える?
笑える発想は「さすが」としか言えないです。
- 「日本代表だから応援する」
- 「リーチ マイケルが出ているから応援する」
- 「テレビ中継があるから観戦しているだけ」
にわかファンの実態は、2015年に痛感したのではなかったのか?
ミーハーなファンを集めるより、今まで応援してきたファンを大事にして欲しい。
寒くても、雨が降っても、ガラガラのスタンドで応援してきた親のファンは「日本ラグビーを裏切らない」
バスケに続け「夢の放映権」収入
プロ化により選手年俸が高騰します。
そうなれば、高額年俸を求めて世界中の一流選手が日本のプロチームと契約します。
一流選手のプレーは世界中のラグビーファンが試合を見たいと思うので、ダゾーンのような企業から莫大な放映権が支払われます。
これは、プロ化を推進する人(ラグビー関係者)の発言です。
どんぶり勘定がスゴ過ぎる!
「Jリーグ」や「Bリーグ」に莫大な放映権料が支払われているのは、下部リーグも含めた年間試合数が多いからである。
1チーム年間15試合程度では、リーグとチームが潤うほどの放映権が入ってくるとは思えないのですが・・・
世界一熱狂的なラグビーファンが集まるイングランドでは?
イングランドのプロリーグ(プレミアシップ)を含めたリーグ運営団体は、昨年までの2シーズンで約103億円の赤字を計上しています。
もちろん、日本とは比べ物にならないくらいのチームが存在していますが・・・
少し古い資料を読んでみると、運営組織が手にするプレミアシップリーグ戦の年間放映権料は推定60億円です。
カップ戦などの放映権料は別なので、最終的に各チームがどれくらいの分配金を受け取っているかは分かりませんが、近年プレミアシップ12チームのうち黒字経営を続けているのは「1チームだけ」と悲しい現状。
恐ろしい話ですが、2025年までには2チームが破綻して、7チームが債務超過状態に陥るを報道されています。
さらに、リーグ内での「チーム格差」を抑えるために、年々サラリーキャップが減っています。
2020年は推定10.5億円と記事がありましたが、2023年までに7億円くらいまで下がるのでは?とも報道されました。
オーストラリアに痛恨の一撃か?
噂では長年オーストラリアラグビーの放映権を持ち、中継と配信をしてきたFOXスポーツが、15人制ラグビーの人気衰退を理由に、2020年以降の契約更新は「白紙に」と地元メディアが伝えています。
多くの日本企業がチームスポンサーになっているけど、中継が無くなれば企業も撤退するでしょうね?
- ワラターズ(ダイキン、NECネッツエスアイ)
- レッズ(富士ゼロックス)
- レベルズ(伊藤園、ヤクルト、シチズン時計)
現在の日本ラグビー中継は?
ワールドカップ日本大会では連日20%を超える高視聴率でしたが、年明けから開幕するトップリーグはCS放送がメインです。
にわかファンやラグビー体験教室に子供を通わせた親たちは、お金を払ってまで有料放送で試合を見てくれるのだろうか?
ルールが単純で頻繁に攻守が入れ替わるサッカーやバスケ、少し分り辛い野球のルールも家族や同僚の男子に聞けば答えてくれる。
しかし・・・
ラグビーは経験者でなければ全くわからない。
「ラグビーのルールが分からなくても十分楽しめます」って某OB選手がテレビで言っていましたが、ルールが分かれば10倍楽しめます。
テレビ中継があれば、見ているうちにペナルティの意味が分かり、自分でも判断できるようになる。
スローフォワードをレフリーが笛を吹く前に気づくようになれば、ラグビー観戦も楽しくなります。
しかし!
にわかファン教育のために、継続して中継してくれるような民放テレビ局は現れるのでしょうか?
今の時代テレビよりネットだと思いますが、サッカーと違って展開が早く、細かなパスと密集での目まぐるしいプレーを約2時間もパソコンやスマホで観るのは辛いと思います。
何年後?には動画の画質とネット通信が改善され、テレビに接続しても違和感なく視聴できる時代になるかもしれませんが・・・
満員のスタンド
トップリーグを観戦している人はのチケット入手方法は?
- 前売りや当日券を購入する
- チーム関連企業や取引先企業の社員が応援に行く
- にファンクラブ特典を利用して応援に行く
ワールドカップ直後に行われる「トップリーグ2020」シーズンは、満員になると思われます。
恐らく関東では「完売」する試合も続出するはずです。
同一会場で1日2試合組まれている日が目立ちますが、恐らく分散するのでは・・・?
さらに、小規模スタジアムで行う試合は「会場変更」する可能性も考えられます。
ただ、前回の大会直後もそうでしたが、入場者数の大半は有料入場者数ではなく、企業優待やファンクラブ特典を利用して入場した観客です。
2018年の開幕戦で3万人を超える観客が入ったトヨタ自動車のホームゲームでは、トヨタグループの社員と企業招待だけで7割以上入っていたでは?と思うのは私だけでは無いはずです。
プロ化になり企業優待とファンクラブ特典が廃止されたら・・・
考えると少し心配ですよね?
トップリーグではダメなのか?
現在トップリーグに参戦しているチームの年間運営費は、推定で約13~18億円。
そして、チームに入る収入は10%も回収できないのが現実です。
(主なもな収入源は、ファンクラブ会費とグッズ販売のみ)
さらに、トップリーグの運営費も、加盟する16チームの企業が「参加費」の名目で捻出しています。
ラグビー協会の赤字は年々増す一方で、これと言った打開策は無し。
そこで、リーグをプロ化にすることで知名度が上がり、ラグビーファンが増え、チケットやグッズ収入と放映権などの収益を見込んでいるらしいですが・・・
選手はどう思っているのだろうか?
もちろん、プロ化に賛成する選手も多くいると思うのですが、得をするのは代表クラスの選手だけではないでしょうか?
リーチや流、稲垣選手などの代表選手からは、プロリーグに関して期待感を示していましたが、既にプロ契約している選手のコメントではなく、社会人選手のコメント(本音)を聞きたいです。
(今回の代表メンバーを見る限り、社会人選手は恐らく2名だけです)
国内最上位のラグビーリーグが完全プロ化になれば、今まで社会人としてプレーしていたベテランと中堅選手はプロ転向する可能性は低いと思う。
2020シーズン終了で引退して企業に残るか、社会人リーグに参入するチームに転職するか?
更なる不安は、学生ラガーマンの進路に大きな影響を与える事です。
実力のある学生が卒業後の進路として、プロを拒否し安定ある社会人リーグを選んだ時点で、日本ラグビーにとっては大きな損失となってしまう。
ファーストは、選手か?企業か?
選手ファーストであって欲しいのですが、プロ化にする大きな理由の一つに「赤字体質の改善」と言っていました。
トップリーグのままでは、リーグ運営の出資者であるチーム企業が黒字になることは無い。
しかし、プロ化にすれば年々収益を上げ、いずれは黒字になる?
らしいのです・・・
黒字になるお金の源は?
- チケット販売
- グッズ販売
- チームと試合会場のスポンサー収入
- 海外配信も含めた放映権料
ムムム?
トップリーグのままでも「できる事」ばかり?ではないでしょうか?
チケット販売とグッズ販売は既にやっているし、チームスポンサーはリーグ規約を変更すれば来シーズンからでも開始できるはず。
問題は、放映権?
ワールドカップ終了後、トップリーグの試合を中継する[J-SPORTS]の契約数は増えたのだろうか?
多分増えていないと思う。
やはり,人気が全てですね・・・
2015年大会から人気が続いていれば、プロ化なんて考えなくても?って思います。
ラグビーチームを持つ企業の考えは?
ワールドカップ終了後、日経ビジネスに16チームが「収益性の改善」について回答した内容が掲載されていました。
「収益性を最優先にせず(収益事業ではない)、ラグビーチームで利益を上げることは考えていない」と答えた企業が多く見られました。
プロリーグが必要なら
ニュージーランドのように「変速的な2リーグ制」なら賛成したい。
スーパーラグビー(2月から6月)、州代表戦(8月から10月)のように!
日本バージョンなら、上半期にトップリーグを開催し、下半期からは全く別のプロリーグを開催させる。
チームは国内のプロ契約選手と外国人選手をスコッドに入れ、8チーム総当たりで年末くらいまで試合が続けば、一年を通してラグビーが楽しめる。
下半期ならスーパーラグビーの未代表選手も日本に来られるし!
なんて「夢のまた夢」・・・
最後に俺的な考え
2021年、新リーグは本当に開幕できるのか?
当初は強気に10~12チームが参加する予定と清宮さんは言ってましたが、先日のコメントでは4~6企業がプロ化に関心を持っているとし、初年度は8チームからのスタートになる見込みに変更されていた。
一方で、強気な弁護士さんは!
「海外からの外資系チームも参入する可能性があるので、12チーム以上になるかもしれない」
「既に問い合わせもある」って言っていました・・・。
新リーグは疑問と矛盾だらけ
多くのプロ選手を抱えるパナソニックやサントリーでも、全選手とプロ契約するのは難しいと思います。
プロ契約を拒む社会人選手には「引退の道」しか無いのか?
仮に、サントリーやトヨタ自動車など実力のある人気チームが、プロ化を拒否して社会人リーグに行ったらどうなるんだ?
大阪の2チームがプロ化宣言したら、両方ともプロリーグに受け入れられるのか?
逆に九州の2チームが社会人リーグに行ったら、関東のチームを移転させるのか?
北海道をホームにするチームは出てくるのか?
プロ化の目的として、チームの本拠地をワールドカップ開催地にすることを明言していましたが・・・
プロ化すれば収益が年々増えるらしいけど、人件費も増える。
当てにしている放映権が入らなかったら、チームは今以上に赤字にならないのか?
何度も書いていますが、現在のトップリーグチームは赤字を気にせずチーム運営をしています。
それは、ラグビーファンなら誰もが分かっていることです!
経費削減したいのなら海外から一流選手なんて獲得しませんし、運営困難ならトップチャレンジや地域リーグに自主降格しているでしょう。
トップリーグチームは、一流企業のクラブ活動であり企業ステータスなんです。
だから私は!
トップリーグのままでいいと思います。
絶対にトップリーグを残すべき!
トップリーグを改革すれば、日本ラグビーの強化と選手育成につながる!
そう思うのは、私だけだろうか・・・?
長々と語りましたが、最後の最後に・・・
今のトップリーグって「16チーム」あるけど、実力差が歴然としている。
下位チーム同士の対戦でも、互角に継続したプレーは観戦していても楽しいですが、ミスの多い試合、ペナルティーの多い試合、一方的な試合は見ていて退屈します。
チーム名を出して失礼だと思いますが、「パナソニックvsドコモ」「サントリーvsNEC」など、対戦前から結果の分かる試合を観たいと思います。
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