1999年に開催されたラグビーワールドカップは、第4回目の大会としてウェールズを中心に行われましたが、試合はイングランド、スコットランド、フランス、アイルランドといった周辺国でも分散開催されました。
大会は、ラグビーの国際的な発展と新興国の台頭を示した一方、伝統的強豪国がその力を見せつける場ともなりました。
大会の特徴とハイライト
最大の特徴は、初めて20チームが出場し、これまでの16チームから拡大されたことです。
これにより、ナミビアやスペインなど初出場国が参加し、ラグビーのグローバル化が進んでいることを示した一方、実力差は依然として大きく、強豪国と新興国の間に大差がつく試合も多く見られました。
日本代表は苦戦を強いられた大会でした。
特に、ニュージーランド戦では(145対17)歴史的大差で敗れ「世界との差」を痛感。
トーナメントの展開
大会はプール戦、プレイオフ、ノックアウトステージという構造で行われ、優勝候補のオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、フランス、イングランドが順当に進出。
特に、ニュージーランドとフランスが激突した準決勝は大会最高の試合と評されました。
結果は、フランスが43対31で逆転勝利を収める。
オーストラリアの圧倒的な強さ
決勝戦ではオーストラリアがフランスを35対12で下し、2度目の優勝を果たしました。
強固なディフェンスと戦略的なキックゲームを武器にした「ワラビーズ」は、終始安定した戦いぶりを見せ、ジョン・イールズ率いるオーストラリアの優勝は、多くの専門家から「完璧なチーム」と称えられました。
大会の意義
1999年の大会は、単なる競技の枠を超えてラグビー文化を広める機会となりました。
収益面でも成功を収め、国際ラグビー連盟(現在のワールドラグビー / WR)が初めて大会の収入を各国協会に分配する制度を確立。
これにより、「新興国の育成環境が改善されるのでは」と、多くの関係者から将来への期待が高まりました。
ラグビー ワールドカップ1999 ウェールズ大会 日本代表メンバー
注意)年齢とCapsは1999年10月1日(大会初日)時点での数字です。
ラグビー 日本代表スタッフ
平尾 誠二(監督)
FW
名前 | 所属チーム | 年齢 | サイズ | Caps |
---|---|---|---|---|
長谷川 慎 | サントリー | 27 | 180cm / 100kg | 17 |
中道 紀和 | 神戸製鋼 | 28 | 175cm / 105kg | 11 |
薫田 真広 | 東芝府中 | 32 | 178cm / 97kg | 41 |
坂田 正彰 | サントリー | 26 | 180cm / 95kg | 15 |
中村 直人 | サントリー | 30 | 178cm / 105kg | 17 |
小口 耕平 | リコー | 30 | 181cm / 105kg | 4 |
ロバート・ゴードン | 東芝府中 | 34 | 193cm / 105kg | 14 |
大久保 直弥 | サントリー | 23 | 189cm / 98kg | 5 |
桜庭 吉彦 | 新日鉄釜石 | 32 | 192cm / 102kg | 41 |
田沼 広之 | リコー | 26 | 193cm / 94kg | 22 |
グレック・スミス | 豊田自動織機 | 31 | 188cm / 104kg | 14 |
渡邉 泰憲 | 東芝府中 | 25 | 192cm / 105kg | 13 |
木曾 一 | 立命館大学 | 20 | 195cm / 96kg | |
石井 龍司 | トヨタ自動車 | 29 | 183cm / 93kg | 1 |
ジェイミー・ジョセフ | サニックス | 29 | 195cm / 115kg | 6 |
伊藤 剛臣 | 神戸製鋼 | 28 | 185cm / 90kg | 27 |
BK
名前 | 所属チーム | 年齢 | サイズ |
Caps |
---|---|---|---|---|
グレアム・バショップ | サニックス | 32 | 175cm / 86kg | 5 |
村田 亙 | 東芝府中 | 31 | 173cm / 74kg | 23 |
廣瀬 佳司 | トヨタ自動車 | 26 | 168cm / 73kg | 23 |
岩渕 健輔 | 神戸製鋼 | 23 | 178cm / 79kg | 12 |
アンドリュー・マコーミック | 東芝府中 | 32 | 185cm / 92kg | 22 |
元木 由記雄 | 神戸製鋼 | 28 | 177cm / 85kg | 44 |
吉田 明 | 神戸製鋼 | 28 | 180cm / 84kg | 10 |
古賀 淳 | 三洋電機 | 24 | 173cm / 85kg | |
増保 輝則 | 神戸製鋼 | 27 | 178cm / 82kg | 36 |
大畑 大介 | 神戸製鋼 | 23 | 177cm / 80kg | 15 |
パティリアイ・ツイドラキ | トヨタ自動車 | 30 | 180cm / 77kg | 12 |
三木 亮平 | 龍谷大 | 21 | 185cm / 83kg | 1 |
松田 努 | 東芝府中 | 29 | 180cm / 83kg | 32 |
平尾 剛史 | 神戸製鋼 | 24 | 182cm / 85kg | 3 |
あまり好きな表現ではないのですが!
名前の「カタカナ」に注目してください。
外国籍選手は「・」が入っている。
帰化した選手は「・」が無く「漢字」が入っていたりします。
ウェールズ大会は、伝統と革新が交錯する大会でした。
オーストラリアの優勝とフランスの奮闘が象徴となる一方、実力差の課題が明確となった大会でもありました。
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