スーパーラグビー「南半球最高峰のラグビーリーグ」よく聞くフレーズです。
世界4大ラグビーリーグの一つで、南半球の強豪国(南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン)からクラブチームが参戦する、日本で一番馴染み深いリーグでもあります。
国際プロラグビーリーグ スーパーラグビー(SuperRugby)
日本のトップリーグでプレーする多くの外国人選手は、スーパーラグビーのチーム出身です。
2018年頃までは、1月末に開幕してからシーズンが終わる7月頃までをスーパーラグビーでプレーし、秋に日本のチームに合流してトップリーグでプレーする、掛持ち(1年2シーズン)プレーヤーが多くいました。
しかし、2020年からはトップリーグも1月開幕となり、多くのスーパーラグビー選手が条件の良いトップリーグでプレーしています。
リーグ発足は1996年とヨーロッパに比べると歴史は浅く、1986年から開催されたリーグの前身であるサウス パシフィック、その後「スーパー6」「スーパー10」「スーパー12」「スーパー14」と参加チームが増えるたびに名称を変えながら、2011年から「スーパーラグビー」の名称になりました。
2016年からは日本のサンウルブズが参戦し、過去最大の18チームがリーグ戦を行いましたが、遠征による選手の疲労や、不人気による収益減などの理由により、2017年を最期に3チーム削減し、2020年にはサンウルブズまでもがリーグ除外となりました。
下部カテゴリとの入れ替え
下部組織が無いため最下位になっても降格はありませんが、過去1度だけライオンズが成績不振と負債超過を理由に降格したことがあります。
また、成績不振を理由にリーグを除外されたチームもあります。
外国人選手枠
他国での代表歴がある選手の同時出場は2名まで。
ただし、リーグ参入5年未満のチームは10名まで出場可能とし、6年目(8人)7年目(6人)8年目(4人)9年目以降は2名となっていましたが、実際に守られていたのかは定かではありません。
注意)最新情報ではありません。
リーグの経済事情
ニュージーランド協会の除き、すべてのチームが火の車です。
特にオーストラリアは、13人制ラグビーやオーストラリアンフットボールの人気が高く、将来有望な選手が13人制に移籍したり、スポンサーが撤退するなど深刻な状況。
南アフリカのチームにも、毎年のように経営難によるチーム縮小の噂がありますが、何故かそのようなチームにはヨーロッパのクラブチームが「支援する」不穏な繋がりがあります。
選手の給料
ラグビー4大リーグの中では、一番安いです。
フランスリーグの平均年俸6,000万円に比べ、ニュージーランド5チームの平均年俸は1,600万円と言われていた時期がありました。
イングランド:プレミアシップ
フランス:TOP14
欧州国際リーグ:Pro14
南半球:スーパーラグビー
ラグビー経済が潤っていた頃の南アフリカのチームは、年間を通して同じチームに所属するので、国内のカップ戦も含ると、未代表クラスの選手でも年間5,000万円以上が支払われていましたが、2018年頃から多くの現役代表選手がヨーロッパに移籍した影響から、国内チームが不人気となり経営難に陥るチームが続出しました。
何かと問題発言を起こした、オーストラリアのスター選手で、現在は13人制でプレーするイズラエル フォラウが、15人制代表当時の最高年収は、アドバイザリー契約も含めて約2.5億円と公表されていましたが・・・。
コロナの影響により休止状態
2020年は、コロナの影響により大会は不成立。
中止までの7節(6試合)を消化したサンウルブズでしたが、2019年が最終成績となります。
2020年6月頃からは、選手の実戦感覚を鈍らせないために、独自の国内リーグが開催されました。
リーグ名称
- ニュージーランド(スーパーラグビー アロテアロア)
- オーストラリア(スーパーラグビー AU)
- 南アフリカ(スーパーラグビー アンロックド)
リーグは再開されるのか?
2021年もリーグは中止となり、ニュージーランド(5チーム)とオーストラリア(5チーム)が「スーパーラグビー トランス・タスマン」と銘打った交流マッチ(初戦5月14日・決勝戦6月19日)が行われます。
南アフリカのチームは、ヨーロッパ(PRO14)参入を発表し、今後のリーグ継続がますます不透明になりました。
どこからもオファーの無いジャガーズ(アルゼンチン)は消滅状態となり、メジャーリーグラグビー(アメリカ)進出や南米新リーグに参入などの噂があります。
2017年を最期にリーグ離脱したフォース(オーストラリア)ですが、何故かスーパーラグビーAUに復帰しています。
2020年リーグが中止される前には、南アフリカ協会主導のもと翌年からの新フォーマットを発表し、放映権料分配の拡大など夢のある新リーグに期待させられました。
しかし、ニュージーランド協会からは、リーグ脱退もしくは解散を匂わせ、環太平洋諸国12チームによる新リーグ構想を発表するなど、2021年春時点では空中分解状態です。
スーパーラグビー公式サイトからは、既に南アフリカ4チームとジャガーズのチーム紹介が削除されていました。
スーパーラグビーに参加しているチーム
地域 | クラブ名 | 創設年 | ホームタウン | 収容人数 |
オーストラリア | ブランビーズ | 1996年 | キャンベラ | 25,011人 |
ワラターズ | 1996年 | シドニー | 45,500人 | |
レッズ | 1996年 | ブリスベン | 52,500人 | |
レベルズ | 2011年 | メルボルン | 29,500人 | |
ニュージーランド | ブルーズ | 1996年 | オークランド | 50,000人 |
チーフス | 1996年 | ハミルトン | 25,800人 | |
クルセイダーズ | 1996年 | クライストチャーチ | 38,628人 | |
ハイランダーズ | 1996年 | ダニーデン | 30,748人 | |
ハリケーンズ | 1996年 | ウェリントン | 34,500人 | |
南アフリカ | ブルズ | 1996年 | プレトリア | 51,762人 |
ストーマーズ | 1996年 | ケープタウン | 51,100人 | |
ライオンズ | 1996年 | ヨハネスブルグ | 59,611人 | |
シャークス | 1996年 | ダーバン | 55,000人 | |
アルゼンチン | ジャガーズ | 2016年 | ブエノスアイレス | 49,540人 |
南半球のカップ戦
残念ながら、南半球のプロチームはスーパーラグビーに参加しているチームがメインとなるので、カップ戦の開催はありません。
代表経験者が多く所属する他のプロチームは?
南アフリカには、国内リーグに出場するグリクアズ・グリフォンズ・ピューマズなどがあります。
そして、フィジーには2017年に結成し3年間オーストラリアの大会に出場していたフィジアン ドゥルアも存在。
もちろん、オーストラリアのフォースも活動を継続しています。
しかし、このチーム数では、南半球でカップ戦を開催させるのは「夢のまた夢」でしょうか・・・
南半球ラグビーの発展と継続に期待しましょう!
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