ニュージーランドは「ラグビー大国」と呼ばれています。
そして、この国にはワールドカップや代表戦(テストマッチ)に出場するオールブラックスだけでなく、オールブラックスXV(All Blacks XV)や、先住民族の血統を持つ選手で構成されるマオリオールブラックスといった選抜チームも存在します。
これらのチームは、世界各国の代表チームやクラブチームと対戦し、いつの時代も高い競技レベルを誇っています。
選ばれるための資格は?
オールブラックス15:「ニュージーランド代表資格を持つ選手」
マオリオールブラックス:「マオリ族の血を引く選手」
両チームともに、キャップを獲得する事は非常に名誉であると言われ、代表に一番近い選手として注目されます。
シニアでの位置付けは?
マオリオールブラックス同等格の位置。
「オールブラックスに続く第2の代表チームであり、国内の最も優秀な選手で構成されます」と公式サイトに書かれています。
サントリーでプレーしたダミアン マッケンジー選手は、「ニュージーランド代表」「オールブラックス15」「マオリオールブラックス」全てのキャップを持ている稀な選手です。
日本との対戦成績は?

いずれもニュージーランドの圧勝でした。
- 2009年6月(秩父宮)52 対 21
- 2007年6月(秩父宮)51 対 3
- 2006年6月(ダニーデン)38 対 8
以前はジュニア オールブラックス
このチームは1958年に結成されました。
当初は23歳以下の代表チームとして活動していましたが、1985年からは年齢制限のない「第2の代表チーム」として再編。
しかし、その後の活動は欠しく、マオリオールブラックスやニュージーランドA代表などが対外試合を行っていました。
その後、
パシフィックネイションズカップに出場するため、前年2005年から再始動され、2009年までの公式戦は16戦16勝と驚異の戦績。
2009年7月2日のトンガ戦を最後にチームは再び活動が休止。
活動休止になった理由とは?
第一に、対戦相手との実力差が大きく、選手強化に繋がらない。
また、州代表にサラリーキャップ制度が導入されたこともあり、選手の生活を優先したとも言われております。
2010年の州代表は、シーズン前に各チームが3試合のプレシーズンマッチが組まれました。
2019年に活動再開を発表
これまでは、「ジュニア オールブラックス」と呼ばれていましたが、2020年3月の活動から現在の名称に変更。
同年10月と11月に3試合を予定していましたが、コロナの影響により中止に。
その後、1年以上が経過した2022年早々、11月にヨーロッパで開催されるオータムネイションズへの参加を表明。
初陣は、アイルランドA代表を(47対19)下しましたが、続く試合ではバーバリアンズに敗れ、チーム結成以来の初黒星を喫しました。
今後の活動については、「オールブラックス15」と「マオリ オールブラックス」を1年ごとに活動させると報じられています。



現在は、U20(20歳以下)の代表に「ジュニア オールブラックス」の称号が与えられています。
All Blacks XV 戦歴
対戦カード(スコア)の右側がニュージーランド15です。
2005年 オーストラリア遠征
- オーストラリアA(31-34)〇 勝利
- オーストラリアA(19-23)〇 勝利
- クイーンズランド(10-48)〇 勝利
2006年 パシフィック5ネイションズ
- 日本(8-38)〇 勝利
- トンガ(10-38)〇 勝利
- サモア(12-56)〇 勝利
- フィジー(17-35)〇 勝利
※フィジー戦のみアウェイ
2007年 パシフィックネイションズカップ
- 日本(3-51)〇 勝利
- オーストラリアA(0-50)〇 勝利
- トンガ(13-39)〇 勝利
- フィジー(8-57)〇 勝利
- サモア(10-31)〇 勝利
※オーストラリアA戦のみホーム
2009年 パシフィックネイションズカップ
- トンガ(25-47)〇 勝利
- 日本(21-52)〇 勝利
- フィジー(14-45)〇 勝利
- サモア(16-17)〇 勝利
※全試合アウェイ
ここまでの試合は「ジュニア オールブラックス」として記録されています。
2022年 オータムネイションズシリーズ
- アイルランドA(19-47)〇 勝利
- バーバリアンズ(35-31)● 負け
2023年 ウォームアップツアー
- ジャパン15(6-38)〇 勝利
- 日本(27-41)〇 勝利
2024年 オータムネイションズシリーズ
- マンスター(24-38)〇 勝利
- ジョージア(13-31)〇 勝利
スコッド入りした主な選手
2022年終了時点でのキャップホルダーは120人、日本に馴染みのある選手も多く選ばれています。
なかでも、スティーブン ロナルドは2度の日本戦を含む計10試合に出場し、チーム歴代最多得点(69)を記録。
その他に、
ジェローム カイノ(元トヨタ)アンドリュー エリス(元神戸)コリー ジェーン(元東芝)ライアン クロッティ(元クボタ)などなど・・・。
2022年オータムネイションズには、キャプテンにトゥイプロトゥ(元トヨタ)、バイスキャプテンにペレナラ(元ドコモ)、司令塔にはマッケンジー(元サントリー)と豪華なチームが結成されました。
余談
以前はニュージーランド協会の公式サイトから、ジュニアオールブラックスの歴代メンバーリストや選手スタッツを閲覧することができました。
しかし!
2023年以降、そのページが削除されてしまい、現在は確認できない状態になっています。
選抜チームとの違い



コメントをいただきましたので、違いをご説明いたします。
「オールブラックス15」は、ニュージーランドラグビー協会が管理する公式チームです。
同様に15人制ラグビーでは、「U19・U20・U21年代別代表」「マオリ」「ハートランド選抜」「高校代表」、最上位である「ニュージーランド代表」も、選手選考から練習場の確保、選手報酬(出場給)や遠征費用などの全てを、ニュージーランド ラグビー協会が管理運営しています。
当然ながら、どのチームも同じスポンサーロゴが入ったジャージーを着用して試合に臨み、出場すれば「キャップ」が授与されます。
一方、「ニュージーランド選抜チーム」や「●●州代表」「大学選抜」などのチームは、スポンサーと地域のラグビー協会が主体となり、短期結成したチームです。
代表と同じデザインの黒ジャージーを着ることは許されず、公式な「キャップ」も存在しません。
「ニュージーランドラグビー協会」とは?
ニュージーランド ラグビーユニオン(New Zealand Rugby、略称: NZR)
4カ国対抗戦・代表戦(テストマッチ)・スーパーラグビーの運営だけでなく、国内トップリーグ「州代表選手権」とハートランド選手権を主催する、ワールドラグビー加盟協会組織です。


コメント
コメント一覧 (2件)
昔はニュージーランド選抜New Zealand XVと呼ばれていて、”All Blacks”の名称は使っていなかったのでは?
「New Zealand XV」と「All Blacks XV」は別組織だったと思います。
2020年に名称変更した「All Blacks XV」と「代表」「年代別代表」「学生選抜」「マオリ」「ハートランド選抜」はニュージーランド ラグビー協会がコントロールし、ニュージーランド選抜(New Zealand XV)やニュージーランド バーバリアンズとは別の組織となります。