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広がらない競技力、変わらぬ序列「ワールドラグビーの限界説」

ワールドラグビーの限界
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最近のラグビーを見て思う事・・・

それは、限られた強豪国同士による「マンネリ対戦」が進行し続けている事です。

2025年7月には、「ニュージーランド vs フランス」の3連戦、「イングランド vs アルゼンチン」「イタリア vs 南アフリカ」も、2連戦が予定されているのをご存じですか?

一見豪華な対戦カードでも、毎年似たような組み合わせばかりでは、「また、この組み合わせか」と感じ、試合の価値や期待感が薄れていきませんか?

たとえば「イングランド vs アルゼンチン」と聞くと、ラグビーでもサッカーでも注目度の高い「ドル箱カード」と言えるでしょう。

しかし、その登場頻度には大きな違いがあります。

実際に調べてみると、サッカーでは2000年以降の対戦はわずか3試合。

直近の一戦は2005年11月で、約20年も公式戦で顔を合わせていません。

一方、ラグビーでは同期間に18回の対戦があり、2025年の2試合を加えると、コロナ以降だけで5試合目となります。

こうした過密な再戦が繰り返されれば、「特別感」は薄れてきませんか?

果たしてこの現状・・・

4年後もファンを熱狂させ続けられるのか?

目次

現在のラグビー国際試合に起きている変化とは

近年のラグビー国際試合には、構造的な問題と視聴者離れの傾向が見られます。

特に、「強豪国の固定化」と「対戦カードのマンネリ化」は深刻!

15人制ラグビーの「価値を下げている要因」と言っても過言ではない!!と私は思います。

強豪国は実質10ヵ国のみという閉鎖的な構造

ラグビー界における「強豪国」は、ニュージーランド、南アフリカ、イングランド、フランス、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、オーストラリア、アルゼンチン、イタリアの10ヵ国に限定されています。

これらの国は、毎年定期開催されているSix Nations(欧州6ヵ国)や、ラグビーチャンピオンシップ(南半球4ヵ国)で互いに対戦しており、新興国が割って入ることは皆無。

競技人口や経済力、歴史的背景から見ても、新たな強豪国の登場は簡単ではなく、この「閉鎖的トップグループ」が、ラグビーの国際試合を固定化させてしまっていると思います。

同じカードの繰り返しがもたらす副作用とは?

近年の代表戦では、「対戦カードを見た瞬間に展開が読めてしまう」という声も増えています。

強豪国同士の対戦は常に高いレベルの試合が期待されますが、過度な再戦により「勝敗パターンの予測可能性」が高まり、競技そのものへの熱狂が失われつつあるのです。

結果として、スタジアムの観客数や放送視聴率にも陰りが見え始め、試合チケットも「かつては入手困難だったのに、今は直前でも買える」という現象が各地で起きています。

サッカーとの決定的な違い:ドル箱カードの成立しづらさ

サッカーでは、代表カードの希少性が価値を高めています。

たとえば「イングランド vs アルゼンチン」のような因縁の一戦は、数年に一度の大舞台でしか実現しないからこそ、世界中から注目されます。

一方のラグビーは、強豪国の数が限られ、年間を通じて同じカードが何度も組まれる仕組みです。

これにより、一戦ごとの意味合いやイベントとしての話題性が弱まり、「待望の対決」という空気が生まれにくくなっています。

さらに、FIFAランキングで実力が拮抗する国が数多く存在するサッカーに比べ、ラグビーではトップ10以外との対戦が実質的に「消化試合」になりがちです。

ラグビー評論家

ニュージーランド代表は、2021年にトンガ代表と対戦し「100点超」の大差をつけた完封勝利。
国際レベルでの実力差を痛感させる試合でした。

こうした大差の試合が珍しくないこと自体が、ラグビーにおける競技力の偏りを示しており、注目カードが限られる根本的な原因でもあります。

サッカーW杯では、ランキング30位前後の国が決勝トーナメントに進出することも珍しくありません。

ペネトレーター

カタールW杯では、FIFAランキング24位の日本がグループ首位で突破しました。

また、過去にはフランス(当時18位)やクロアチア(20位)が決勝まで進んでいます。

ラグビーに置き換えるなら、現在の実力差を考えると「ポルトガルやルーマニアがワールドカップ決勝で南アフリカと対戦する」ようなものです。

そう聞くと、ほとんどのファンが「さすがにそれはない」と感じるはずです。

それほど、下位国が決勝まで勝ち進むのは現実離れした話なのです。

ワールドカップ優勝国候補はわずか5ヵ国

ラグビーワールドカップで優勝を狙える国は、現状わずか5ヵ国に絞られています。

ニュージーランド・南アフリカ・イングランド・アイルランド・フランス

選手層の厚さ、戦術の完成度、実績や経験値の豊富さにおいて、他国とは一線を画しており、この5ヵ国が優勝候補として挙げられるのが現実です。

ラグビー評論家

もちろん、世界有数の国内リーグが存在することも、大きな要因の一つです。

偏りすぎた構図が生む「戦術の停滞」と「物語の欠如」

強豪国同士の対戦が年中行事のように繰り返される現状は、ラグビーの魅力を削り続けていると思います。

戦術面では、高度な分析が進み、試合は形式的かつパターン化された内容に!

ラグビー本来の予測不能な駆け引きや即興性が失われ、「定型の再現」になりつつあります。

そして、試合を見る前の「物語」や、試合後の「感動」が生まれにくくなっていることです。

2015年のワールドカップ、日本代表が南アフリカを破った試合は、世界中を驚かせ、国内外から称賛を集めました。

この「ジャイアントキリング」は大きな話題を呼び、新たなファン層を引き込むきっかけにもなりました。

しかし、現在では強豪国がフルメンバーで挑む国際大会は、実質ワールドカップのみとなっています。

その唯一の大舞台においても、準決勝や決勝に進むチームは毎大会ほぼ同じ顔ぶれで占められており、試合の展開や結果が予想しやすくなっているのが現状です。

緊張感や意外性に乏しい構図が続けば、観る側も「結局、いつもの国か」と興味を失いかねません。

ラグビーを初めて観る人にとって、「感情移入できるチーム」や「心を動かされるようなストーリー」に出会える場面が少なく、ファンとして定着するきっかけをつかみにくいのが現状です。

「ドル箱カード」はワールドカップだけにすべき理由

本来、強豪国同士の対戦は「ここ一番」でこそ輝くエンタメ要素の強い試合です。

しかし現在のラグビー界では、年間スケジュールの中で何度も同じカードが組まれており、その価値が日常に埋もれてしまっています。

観戦の【希少性】こそが試合の価値を高める

同じカードでも、それが「数年に一度しか見られない対戦」となると、ファンの熱量は格段に高まります。

サッカーで例えるなら、W杯での「コパ・アメリカ優勝国 vs ユーロチャンピオン」や、メジャーリーグ・ワールドシリーズでの「ヤンキース vs ドジャース」のように、希少性が話題性と興行価値を生むと感じます。

ラグビーの「ニュージーランド vs 南アフリカ」や「アイルランド vs イングランド」といった注目カードは、対抗戦で毎年見るのが当たり前ではなく、ワールドカップのような特別な舞台で観たい!

そう感じているのは私だけでしょうか?

記憶に残る対戦は「特別な舞台」でこそ生まれる

強豪国同士の試合は、単に強さを競うだけでなく、大会の雰囲気や盛り上がりを左右する「ハイライト」としての役割を持っています。

だからこそ、年中行事のように繰り返すのではなく、ワールドカップのような特別な場で対戦するからこそ記憶に残るのです。

「この試合を観たくて大会を楽しみにしていた」と感じられるような、心に残る一戦が生まれるのは、注目カードが特別な舞台で実現するからこそです。

だからこそ、その一試合に対する期待や熱気が高まり、観る側にとっても特別な意味を持つのではないでしょうか。

「語られる一戦」を演出する仕組みが必要

現状のラグビーカレンダーは、実力を競い合うことには特化していますが、「語られる一戦」を意図的に生み出す仕組みには乏しいのが実情です。

サッカー界が成功している理由の一つに、「強豪国同士の対戦を戦略的に演出する設計」があります。

ラグビーにおいても、ただ試合を消化するだけでなく、「この試合が見られてよかった」と思えるような場面を増やす工夫が求められています。

いま必要なのは? ピラミッド形成の土台に厚みを

強豪国同士の試合を否定する理由はありません。

ただ、それだけに頼る構造から脱却し、アジア・南米・東欧などの潜在市場との接点を増やす仕組みが必要です。

そうした取り組みが進んでこそ、ワールドカップは「どの国が優勝するのか」だけでなく、「予想できない試合」や「注目の一戦」が増えると信じています。

私の思いは「ただ一つ」

ペネトレーター

北と南は共鳴する必要なし!
ワールドカップ以外で交わるべからず!

そのためにも、南半球はトンガ・サモア・フィジー・ウルグアイ・チリ・ナミビア

北半球は、スペイン・ポルトガル・ジョージア・ルーマニア

そして、カナダ・アメリカ

この中堅・新興国が強化できるような体制を作らなければ、世界のラグビーは10ヵ国でスクラムを組み、パスを回しているだけの競技になってしまう!

国内C級レフリー

世界・ラグビー改革ですね!

もし、現在の「代表資格5年ルール」と「ティア制度」が廃止されれば・・・

今から10年後には、中堅・新興国が今の上位国と互角に戦える日が来るかもしれません。

ペネトレーター

ハードルは限りなく高いですが!

2024年に見直された代表資格制度によって、ヨーロッパの上位国は今後さらに戦力を強化すると見られています。

ラグビー評論家

ですが、
このルールで一番の恩恵を受けているのは「日本代表」なのです!

日本生まれ・育ちの選手たちだけで、トンガやジョージアと真っ向勝負をして勝てるか?

ラグビーに詳しいファン100人に聞けば、おそらく全員が「勝てない」と答えるでしょう。

もし、代表資格を「出生国のみ」に限定したルールが導入されたとしたら・・・?

スコットランドやアイルランドは壊滅的な戦力ダウンとなり、イタリアは直後の試合からジョージアに負けるでしょうね!

中堅・新興国の底上げは不可欠ですが、それと同時に、今の代表制度によって「膨らみすぎた上位国の経験値」に、制限を設けることも、競技の公平性を保つうえで重要なのではないでしょうか?

そんな日が来れば・・・

4年後も、私はラグビーファンであり続けていると思います。

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